日本で「特定技能」の在留資格で働く人たちは、どこで、どんな仕事をしているのでしょうか?まずは 分野別や地域別での状況を見てみましょう。
2021年12月の時点で、最も特定技能で働く人数が多い分野は「飲食料品製造業(いんしょくりょうひんせいぞうぎょう)」で、全体の36.4%を占めています。日本国内で特に人手不足になっている分野であり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、入国・出国の制限により、母国に帰ることができなくなった「技能実習」の外国人が、在留資格を特定技能に切り替えて、日本で働き続けているという現状があります。また、日本の企業は特定技能の各分野に設けられている協議会に加入した上で、人を採用する必要がありますが、飲食料品製造業においては、その手続きや審査が簡単なため、特定技能の人材を採用しやすいという理由もあげられます。
順位 | 業種 | 人数 | 割合 |
---|---|---|---|
1位 | 飲食料品製造業 | 18,099人 | 36.4% |
2位 | 農業 | 6,232人 | 12.5% |
3位 | 介護 | 5,155人 | 10.4% |
4位 | 建設 | 4,871人 | 9.8% |
5位 | 産業機械製造業 | 4,365人 | 8.8% |
6位 | 素形材産業 | 3,066人 | 6.2% |
7位 | 電機・電子情報関連産業 | 2,371人 | 4.8% |
8位 | その他 | 5,507人 | 11.1% |
国別で最も多いのはベトナム国籍で、全体の60%以上を占めています。ベトナムでは日本語教育が盛んなことや、日本企業が多く進出していること、技能実習で来日するベトナム人が多いため、特定技能で働く人も多くなっていると考えられます。
順位 | 国籍・地域 | 人数 | 割合 |
---|---|---|---|
1位 | ベトナム | 31,721人 | 63.9% |
2位 | フィリピン | 4,607人 | 9.3% |
3位 | インドネシア | 3,889人 | 7.8% |
4位 | 中国 | 3,694人 | 7.4% |
5位 | ミャンマー | 2,294人 | 4.6% |
6位 | タイ | 1,034人 | 2.1% |
7位 | カンボジア | 990人 | 2.0% |
8位 | ネパール | 668人 | 1.3% |
9位 | その他 | 769人 | 1.5% |
日本国内では、愛知県が最も特定技能で働く外国人の数が多くなっています。愛知県は、工業が盛んな地域として知られており、「素形材産業分野(そけいざいさんぎょうぶんや)」で働く人が他の地域に比べてとても多いです。2位以下は、千葉県、埼玉県と続き、日本の中で最もたくさんの人が住んでいる東京都でも、特定技能で働く人の人数は6位になっています。
特定技能1号で働くときに、働く場所となる受入れ会社は外国人の方が困ることなく働けるようにサポートする必要があります。そのサポートを自分の会社で行うところもあれば「登録支援機関(とうろくしえんきかん)」を利用してサポートするところもあります。
『Hello Japan』の記事『在留資格(ざいりゅうしかく)「特定技能(とくていぎのう)」とは』で紹介されていた、「会社から受けられるサポート」にあるような、「困りごとの相談」や「住む家の準備や生活に必要な電気・水道・ガスなどの契約をサポート」などを、登録支援機関からサポートしてもらえます。
▼登録支援機関についての詳細は「外務省」のサイトへ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/ssw/jp/
登録支援機関は、東京都に約1600、大阪で約700、愛知に約750など、全国各地にあり、それぞれの機関によって、英語、中国語、ネパール語、ベトナム語、ミャンマー語など、さまざまな言語での対応ができます。
▼全国の登録支援機関は「出入国管理庁」のサイトへ(日本語/英語)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri07_00205.html
(監修/行政書士明るい総合法務事務所 代表 特定行政書士 長岡由剛)
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