在留資格（ざいりゅうしかく）「特定技能（とくていぎのう）」とは

得られる情報／在留資格「特定技能」で働ける仕事の種類や取得するための方法、働く会社から受けられる支援内容

日本に滞在するための活動にもとづいた在留資格の分布図（2019年4月1日から行われている）

日本で働くための在留資格は、大きく分けて19種類あります。企業などの経営者・管理者として働く「経営・管理」や、一般的に大卒者の採用がメインとなる職種やIT、機械工学などの技術者、日本人では習得が難しい能力を必要とする通訳、語学講師などが取得できる「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格などがあります。「特定技能」は、その19種類ある在留資格の中の1つになり、2019年4月1日に施行された最も新しい在留資格となります。

特定技能について

特定技能は、日本で働く人が少なくなっている仕事で、外国人の方が、働くことを認められる在留資格です。特定技能には、「1号」と「2号」に分けられる2つの在留資格があります。特定技能1号は、日本語や仕事の試験に合格する能力が必要です。特定技能2号は、日本にいることができる日数が決められておらず、家族を連れてくることもできます。いま、特定技能の在留資格で働くことができるのは、下の14分野です。

◇特定技能「1号」の仕事について

介護	年をとったり、特別な病気により、生活をするのが難しい人をサポートをする仕事
ビルクリーニング	ビルの中を掃除する仕事
素形材産業	金属の部品を使って、物を作る仕事
産業機械製造業	工場などで使われる機械を作る仕事
電気・電子情報関連産業	電子部品を作る仕事
建設	家やビルなど、建物を作る仕事
造船・舶用工業	船を作る仕事
自動車整備	自動車を点検・整備・分解をする仕事
航空	飛行機に荷物を運んだり、飛行機を点検・整備する仕事
宿泊	ホテルで受付や接客、レストランサービスをする仕事
農業	野菜や果物などを育て、収穫する仕事・豚や牛、ニワトリなどの動物を育てる仕事
漁業	魚を捕ったり、魚を育てる仕事
飲食食品製造業	食べ物・飲み物を作る仕事
外食業	レストランなどで、接客や調理、料理を運ぶ仕事

◇特定技能「2号」の仕事について

建設	家やビルなど、建物を作る仕事
船舶・舶用工業	船を作る仕事

いま、特定技能1号でのみ認められている下の介護を除く11分野が、2022年には特定技能2号に追加することの是非について日本政府で検討されています。

これまで、特定技能1号で働く人には、ぜんぶで5年間の、日本に住める期限がありました。「介護」を除いた11分野の仕事が、特定技能2号に加わることで、この11分野で働く人たちも、日本に住める期限がなくなり、日本に家族を連れてくることができます。「介護」分野も、他の在留資格で長く働ける方法があるため、外国人の方は、14種類すべての分野で、期限なく日本に住むことができるようになる可能性があります。

どうやったら働ける？

特定技能1号の在留資格で働くには、日本語試験と技能試験を受けて、合格する必要があります。（在留資格「技能実習2号」で、決められた過程を終えた人は、技能試験を受ける必要がありません。ただし、別の分野で働きたい人は、働きたい分野の技能試験に合格する必要があります。）試験に合格し、会社との契約が成立した後、特定技能の在留資格を申請することができます。

◇働くまでの進め方

日本以外にいる人

1	日本語試験・技能試験に合格、または技能実習2号の決められた過程を終える
2	会社と契約する
3	入管（出入国在留管理庁）に、在留資格などを申請する
4	ビザが受け入れられた後、日本に来て働く

日本にいる留学生

1	日本語試験・技能試験に合格
2	会社と契約する
3	入管に在留資格などを申請する
4	働く

日本にいる技能実習生

1	入管に在留資格などを申請する
2	働く

※転職の場合は、1. 2.の前に、転職する会社と契約する。

会社から受けられるサポート

特定技能1号の在留資格で働く外国人は、会社（または、会社が頼んだ登録サポート機関）から、日本で生活する時や働く時に、いろいろなサポートを受けることができます。サポート内容は、下の10種類があります。

1. 在留資格をもらう前に、会社の説明を受けられる
会社と契約した後、在留資格の申請前に、会社から「働く条件や内容」などについて、直接またはオンラインで説明してもらうことができます。

2. 日本に着いた時、国に帰る時の送り迎え
日本に着いた時は、会社の人が、空港から会社や家まで送ります。あなたの国に帰る時は、会社の人が空港のセキュリティチェックの所まで、付き添います。

3. 住む家の準備や、生活に必要な電気・水道・ガスなどの契約をサポート
会社の家（社宅）を貸してくれたり、会社の人が、あなたの住む家の保証人になってくれます。また、銀行の口座を作ったり、電気・水道・ガスの契約や、携帯電話の案内・契約を手伝ってくれます。

4. 生活するためのオリエンテーション
日本で生活しやすいように、会社の人が、日本のルールやマナーを教えてくれます。また、電車やバスの乗り方、地震や事故が起きた時に、どうしたらいいかも、教えてくれます。

5. 市役所の手続きをする時の手伝いや付き添い
会社の人が、手続きの書類を書く時に、手伝ってくれます。また、市役所や税金などの手続きをする時に、一緒に来てくれます。

6. 日本語を勉強するサポート
会社の人が、日本語学校や日本語を勉強する案内をしてくれます。

7. 困りごとの相談
仕事や生活で困ったことがあれば、あなたが理解できる言葉で、相談することができ、アドバイスがもらえます。

8. 日本人との交流
会社の人が、会社や住まいの近くなどで行われるお祭りを案内してくれたり、日本人と交流する場をつくってくれたりします。

9. 仕事が変わる時のサポート（会社から、やめるように言われた場合）
会社から、やめるように言われた時は、会社が、次の仕事を探す手伝いや、手続きのサポートをします。

10.ミーティング（3カ月に1回より多い）
会社で、あなたをサポートするリーダーと、定期的にミーティングをします。仕事で困っていることがあれば、相談することができます。

（監修／行政書士明るい総合法務事務所　　代表　特定行政書士　　長岡由剛）

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